入ヶ池の人柱伝説
どんな伝承か
兵庫県稲美町の入ヶ池には、名の由来として人柱の言い伝えがある。昔、田に引く水をためようと池を築いたが、土手がすぐに崩れてしまった。困った村人が祈祷師に相談すると、数日のうちに「お入」という女が現れるから、その女を土手の人柱にせよと告げられた。それからは土手が崩れることはなく、村は栄えていったという。この池で恐ろしい目に遭った筆者は、逃げ帰る途中に通った池のほとりの石碑が、お入の供養碑だったのかもしれないと振り返っている。
原典より
今思えば、池の端に建っていたあの石碑は、お入さんの供養碑だったのかもしれない。—— 水辺の怪談 ベスト(つり人社) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
水辺の怪談 ベスト(つり人社)
『水辺の怪談 ベスト』は、釣り人たちが海や川や湖で出会った怪異の体験談を集めた本である。お盆の夜釣りでの金縛り、伊豆大島の釣り宿の離れ、渓流の滝壺や湖のボート、アユ釣りやマス釣りの遠征先の宿などを舞台に、エサ屋の店主・会社員・釣りライター・バスプロら十七人が、自身や仲間の体験をつづる。「海の章」五編と「川・湖の章」十二編の二部に分け、各編の冒頭に筆者の短い紹介を置き、四人は仮名で書く。