高野山恵光院の念写実験
どんな伝承か
大正七年八月四日、高野山の恵光院で渡邊偉哉の念写実験が行われた。京都東寺の管長鎌田観應をはじめ十名が立ち会い、渡邊は五枚の乾板のうち二枚目に『弘法』、四枚目に『大師』を写すと告げた。現像してみると文字そのものは浮かばなかったが、指定した二枚目と四枚目だけが感光し、残る三枚はまったく透明のままだった。立会人たちは字が出なかったことに少し落胆しながらも、念じた板にだけ光の跡が届いた事実に驚き、その次第を書き留めて記名調印した報告を寄せたという。
原典より
乾板五枚の二枚目に弘法、四枚目に大師と念寫せる旨を告げられたり。—— 現代心霊現象之研究(エッチ・カーリントン・心霊研究・1924年(大正13年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代心霊現象之研究(エッチ・カーリントン・心霊研究・1924年(大正13年))
『現代心霊現象之研究』は、米国のエッチ・カーリントンが一九一九年に著した『現代心霊現象』の関昌祐による訳書で、訳者の序辞は大正十三年五月二十日付である。心霊現象と進化論・心理学・生物学・倫理学の関係を論じる部と、霊媒ユーサピアの回想、幽霊、心霊写真、心霊体の投影、憑きもの、エルバーフェルトの馬、植物の霊などを扱う部から成る。巻頭に福来友吉の序文、巻末に山梨県の渡辺偉哉の念写実験と福来の念写理論を記す附録と、水晶球凝視の実験報告を置く。