宝城院で再会した霊能者山本健造
どんな伝承か
一九七四年三月、高野山大学を訪ねた田中千代松は、福来友吉を知る人を尋ねるうち、大学院の入試を受けているヤマモトケンゾウという人に聞くよう案内された。それは福来と同郷の岐阜県人で、飛騨高山に福来記念館を建てた山本健造で、仙台の福来心理学研究所の記念式典で同席した間柄だった。その夜、福来がかつて身を置いた宝城院で、山本と、学生時代に福来の臨時講義を聴いた綾部の興隆寺住職古市義雄との三人で語り合った。山本を霊能者に違いないと思わせる話も出て、福来夫妻が新書院に滞在していたことも山本の話で確かめられた。
原典より
山本健造氏は霊能者であるにちがいない、と私にふかく思わせる話も出た。—— 霊の世界 ― 小品集(田中千代松・心霊研究文庫III・1978年(昭和53年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊の世界 ― 小品集(田中千代松・心霊研究文庫III・1978年(昭和53年))
『霊の世界――小品集』は、田中千代松が新聞・雑誌に寄せた心霊研究の随筆や小論に手を加えて集めた心霊研究文庫の第三冊で、はしがきは一九七八年十一月の日付である。SPRの成り立ちや催眠術・超心理学の来歴、クルックスやフラマリオンを論じる文章のほか、土井晩翠・河上肇・福来友吉の挿話、平田篤胤が記した仙童寅吉、秋山真之の霊夢などを収める。「エッセイ種々」「群像」「ものがたり回顧」の三部に分け、多くの篇に初出の誌名と年月を添える。