瘧に敗れた不死身の盗賊・甚内
どんな伝承か
浅草に、幸坂甚内を祀る甚内霊神がある。甚内は鳶沢甚内・庄司甚内とともに江戸三甚内と呼ばれた盗賊で、十一歳で孤児となり、甲州で宮本武蔵に拾われて高弟にまでなったという。水底を平地のように歩き、斬られても刺されても血を流さない不死身だったと伝わる。慶長十八年、鳥越川の橋の下の隠れ家で瘧の発作に苦しんでいるところを捕らえられ、鳥越明神のそばの刑場で磔にされた。この持病さえなければ捕まりはしなかった、今後わが名を念じる者があれば瘧を治してやろうと言い残し、槍の穂先をつかんで自ら腹を突いたという。
原典より
浅草に幸坂甚内を祀った甚内霊神がある。—— 心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。