侍女を連れて荒川へ入った足立姫
どんな伝承か
足立区扇二丁目にある木余り如来の性翁寺には、区の名の由来となった足立姫の碑が、菩提樹に囲まれて苔むしている。二百年前、この地の領主足立宰相の娘は近隣はもとより遠国にまで美しさが知られ、豊島左衛尉のもとへ嫁いだ。ところが姑がひどく、夫婦仲が睦まじくなるほどいじめは激しくなる。夫は母を諫めることもできず、耐えかねた姫は同情した十二人の侍女とともに家を出て、荒川に身を投げた。娘の菩提を弔うため巡礼に出た宰相は、熊野権現の告げにより六体の阿弥陀を彫り、余った木でもう一体を造って庵を建てた。これが性翁寺だという。
原典より
足立区扇二丁目に、「六体を回る功徳は木あまりの阿弥陀の浄上へみのる菩提樹」という御詠歌で知られる木余り如来性翁寺がある。—— 心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。