煮えたぎる大釜に入る木原不動の荒行
どんな伝承か
毎年二月二十八日、熊本県益城郡の木原不動の境内には、年に一度の大祭で行われる火渡りと釜ゆでを見ようと、全国から数万人が集まる。祈願を書いた護摩木が大釜の下で燃え上がり湯が沸き立つなか、法螺貝の音とともに行者沢田ハルエさんを先頭に白装束の行者たちが入場し、経を唱え九字を切りながら火と釜の周りを巡る。大阿闍梨の大塚行仙さんに導かれ、行者たちは燃える護摩木の上を素足で何度も渡っていく。続く釜ゆででは、八十度を超える湯を大塚さんが榊で参拝者に振りかけたのち、沢田さんが気合もろとも釜に入り、腰を落として印を結び続けた。この荒行で命を落とした行者もいたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。