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門前で消えた近江の女の生霊

所在地京都府京都市
年代伝承・不詳
登場—
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

『今昔物語』の話。昔、美濃・尾張へ下ろうとする身分の低い男が、まだ夜中のうちに家を出ると、四辻の大路に青みがかった衣の女房がひとり立っていた。女は民部大夫某の家へ案内してほしいと頼み、男が門まで送り届けると、近江国の某の娘だと名乗り、東国へ行くなら立ち寄ってほしいと言うなり、閉じた門の前でかき消えた。まもなく家の中から泣き騒ぐ声が上がり、夜が明けてから聞くと、近江の女の生霊に取り憑かれて患っていた主人が明け方に死んだという。数日後、男が近江の教えられた家を訪ねると、女は簾越しに礼を述べ、品々を与えた。民部大夫に捨てられた妻が生霊となって取り殺したのだった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

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