兄の亡霊に責められ時効前に自首
どんな伝承か
昭和二四年九月二日、香川県善通寺市上吉田町で、身持ちの悪い兄を妹夫婦と姉の三人が絞め殺し、床下に埋めた。一四年後、滋賀県甲賀郡信楽町に住む妻ヨリが水口署へ自首し、時効寸前で事件が発覚した。善通寺署が風呂場と三畳間の床下を掘ると白骨死体が出た。ヨリは取調べに対し「あと一一か月で刑事責任がなくなることは知っていたが、三年前に仏道へ帰依してから毎晩兄の亡霊にうなされ、良心の呵責に耐えかねた」と語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))
『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。