トップ > 沖縄県の伝承 > 那覇市

遊女カナーの祟りで廃業した風月楼

所在地沖縄県那覇市辻(風月楼)
年代明治〜昭和
登場カナー、勝田、宮平弥吉、風月楼の遊女・亡霊、カナーを囲った砂糖成金、カナーと夫婦約束をした青年
出典沖縄怪談集 逆立ち幽霊

どんな伝承か

七年前、辻遊廓の風月楼に、久志村から来たカナーという芸も気立てもすぐれた遊女がいた。那覇の砂糖成金勝田が金にあかせて通い、女将も取り持ったが、カナーには夫婦約束をした港湾会社勤めの宮平弥吉がいて応じなかった。母の病と葬式の費用を勝田が出したと女将に聞かされたカナーは、心ならずも勝田の女になり、宮平は酒と博打に崩れていった。悔やんで胸を病んだカナーは勝田にも見捨てられ、女将にも邪険にされて、宮平の幸せを祈る言葉を残して死んだ。初七日から女将の部屋で箪笥や襖が揺れ、祈禱も効かず、人力車の女が門前で消える噂も立って、風月楼は客足が絶え廃業したという。

原典より

執念深い遊女カナーの亡霊に祟(たた)られて、風月楼は、潮の干くように客足が途絶え、ついに廃業の憂目をみるに至った。—— 沖縄怪談集 逆立ち幽霊(伊波南哲) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

沖縄怪談集 逆立ち幽霊(伊波南哲)

『沖縄怪談集 逆立ち幽霊』は、石垣島で育った詩人の伊波南哲が、新聞や雑誌に書いた話と書きおろしを合わせ、沖縄の怪談を物語風に綴った怪談集である。那覇の辻遊廓や一日橋、首里、石垣島・竹富島などを舞台に、遊女や捨てられた女の幽霊、遺念火、キジムナー、お化け封じの術を描き、戦後のタクシー幽霊の噂や東京で起きた位牌の嫁入りの話も取り上げる。題を付けた二十二話のあとに「怪談断片集」を置き、少年時代を語る「果たして幽霊はいるのか」で結ぶ。

種別から探す

初七日祟り肺病

那覇市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『沖縄怪談集 逆立ち幽霊』の伝承