白鳥と化した日本武尊が降りた社
どんな伝承か
久留米の庄島にある白角折神社は、筑後志によれば日本武尊を祀る社で、次のような社伝がある。景行天皇の第六の皇子である尊は、武勇にすぐれて西の賊を討ち、東の夷を平らげたが、三十歳で世を去った。するとその亡骸はたちまち白い鳥に変わって天へ昇り、西へ飛んできてこの地に降りたのだという。三代実録の貞観十五年の条で位を授けられた白角折神も、肥前神崎郡のものではなくこの庄島の社のことだと説かれるほど、古い由緒を持つ社である。
原典より
其屍忽ち白鳥と化して天に昇り西に飛びて此地に止ろと云々。—— 炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年))
『炉辺叢書 筑紫野民譚集』は、及川儀右衛門が筑紫野で暮らした二年ほどの間に、土地の故老や下宿の老婆から聞いた話、教え子が書き送ってきた物語を文献とも照らしてまとめた民譚集である。筑後を中心に筑前・肥前・肥後・豊前・豊後の河童、怪火、長者の話、神事と歌舞、山と水の伝奇、狐狸や幽霊の怪異を六篇に分けて収め、多くの話に古記録を引いた〔註〕を添える。序の日付は大正十二年六月である。