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縄をほどいた老人に河童が授けた接骨法

所在地福岡県久留米市国分町日渡
年代不明(田植頃)
登場馬躍を使う老爺
出典炉辺叢書 筑紫野民譚集

どんな伝承か

筑後の三井郡国分村日渡に家伝の接骨医がある。その接骨法は河童から伝授されたものだという。いつの年のことか、田植の頃の出来事であった。水田で、泥土を軟らかくするために馬を御して馬鍬を使う老爺がいた。河童が畦道で老爺の練れた手並みを眺めていた。やがて疲れた老爺が腰を伸ばして煙草を吸い始めると、馬に目のない河童は田の中に入り込み、馬を繋いだ縄を手繰って悪戯を始めた。馬は驚いて駆け出し、河童は馬鍬とともに引きずり回されて散々な目に遭った。老爺は怒りもせず馬を止め、河童に絡みついた縄を解いてやった。河童はその好意に感激し、恩返しとして骨接ぎ法を教えた。これが今日まで伝えられている日渡の接骨法である。

原典より

筑後の三井郡國分村日渡こいふに家傳の接骨醫があるがその接骨法は河童から傳授されたものだこのここである。—— 炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年))

『炉辺叢書 筑紫野民譚集』は、及川儀右衛門が筑紫野で暮らした二年ほどの間に、土地の故老や下宿の老婆から聞いた話、教え子が書き送ってきた物語を文献とも照らしてまとめた民譚集である。筑後を中心に筑前・肥前・肥後・豊前・豊後の河童、怪火、長者の話、神事と歌舞、山と水の伝奇、狐狸や幽霊の怪異を六篇に分けて収め、多くの話に古記録を引いた〔註〕を添える。序の日付は大正十二年六月である。

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