菅公が身を清めた龍王の滝と衣掛岩
どんな伝承か
天拝山のふもとにある武蔵寺の境内には、菅原道真が身を清めた所と伝える龍王の滝がある。滝のそばには古い石塔が立ち、天拝山の峰で天を仰いで願いがかない、御衣の香りがしみた石が塔に変わって、五百年来流れる水も香るという意味の詩が刻まれている。この塔こそ、道真が衣を掛けた衣掛岩だと言い伝えられている。武蔵寺は虎丸長者の伝えにも出てくる寺である。
原典より
更にその麓の武藏寺(三長者の一話の項參看)の境内にに菅公の身を清めた所と稱する龍王瀑布なるものがあつて其傍の古い石塔に次の詩を刻してある。—— 炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年))
『炉辺叢書 筑紫野民譚集』は、及川儀右衛門が筑紫野で暮らした二年ほどの間に、土地の故老や下宿の老婆から聞いた話、教え子が書き送ってきた物語を文献とも照らしてまとめた民譚集である。筑後を中心に筑前・肥前・肥後・豊前・豊後の河童、怪火、長者の話、神事と歌舞、山と水の伝奇、狐狸や幽霊の怪異を六篇に分けて収め、多くの話に古記録を引いた〔註〕を添える。序の日付は大正十二年六月である。