頭屋が浜のコウリバで身を清める二木島
どんな伝承か
三重県熊野市二木島は、陸路が険阻で長く海路のみで木ノ本と行き来する僻地であった。ここの頭屋は夫婦揃った家で、二代以上の在住者、その一年に親戚の不幸がなかった者から選ばれる。決まると祭りまでの半年間、日常数珠を首にかけ、髪を切らず髭もそれない。家の近くの海岸に米俵を三方に置き、四隅に青竹を立てて正面にしめを張ったコウリバ、すなわち禊の場をつくり、そこで朝夕二回身を清め、夕コリから朝コリまでは外出を許されなかった。
原典より
頭屋にきまると祭りまでの半年間日常数珠を首にかけており、髪は切れず、髭さえそることができない。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。