漁村と山村に見る半年交代の当屋
どんな伝承か
氏子を代表して氏神に奉仕する当屋は、本来一人で、しかも一か年で交代することになっている。なかには半年で交代する土地もあり、三重県熊野市荒坂町、福井県三方郡三方町常神、京都府綴喜郡多賀村天王山のように、漁業の盛んなところや山村に多い。農耕社会では春秋を通じた一か年が生活の規準となるため、必ずといってよいほど一か年交代である。当屋の神主は、その年期から一年神主、その仕事から掃除神主などとも呼ばれた。
原典より
なかには半年で交代するところもあるが、それはたとえば三重県熊野市荒坂町や福井県三方郡三方町常神、あるいは京都府綴喜郡多賀村(現・井手町)天王山のように、漁業の盛んなところや山村に多いことで、…—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。