牛に乗る権兵衛を出す秋祭りの神事
どんな伝承か
祭りの当番について、家を単位とするものと人を単位とするものは普通ほとんど区別できないが、実際には区別しなければならない例もあると原典はいう。兵庫県明石市大蔵町の稲爪神社では、旧暦九月八・九日(今は新暦十月八・九日)の秋祭りで、九日の神幸式のあとに、御当宿(ゴトウヤド)から牛乗権兵衛を出すという変わった神事がある。この場合、御当宿が当屋にあたり、牛に乗る権兵衛が当人にあたるとみることができるという。
原典より
たとえば兵庫県明石市大蔵町の稲爪神社では、旧暦九月八・九日(今は陽暦一〇月八・九日)の秋祭りに、九日の神幸式後に、御当宿(ゴトウヤド)から牛乗権兵衛を出す奇妙な神事がある(『郷土趣味』三ノ四、 )。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。