団子党とサカナ党が支える八幡祭
どんな伝承か
三重県北牟婁郡錦町は七百戸の海岸集落で、正月十日の八幡祭には町の人びとが参集する。準備のために団子党とサカナ党という二種の頭屋団があり、団子党は祭り元の息子たち十八人が米を集めて団子を作り、サカナ党は分家の中年の者十二人が鰹・鰤・鰡やモムシ・タカノハなどをとって塩漬にする。当日は祭場の八幡屋敷に集まり、弓の神事のあと団子と魚を分けた。酒には「まざらこ」と称して水と半々に割ったものも出る。
原典より
この時の酒には「まざらこ」と称して酒水半々に割ったものも出るが、これは三郷が集まって一町を成した記念にいただくものとしている。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。