三か所で同時に写った炭鉱の霊
どんな伝承か
余の父が田舎へ出張するのを好機会として、遠距離で同一時刻に数か所の乾板の膜面を変化させる実験が約された。父が自宅を出発した翌日の大正六年四月十七日午後三時、霊能者の邸から百三十余哩を隔てた三か所に、それぞれ八切半打の乾板を持った者が定刻に立った。福島県石城郡内郷村の内郷炭礦第一斜坑の坑内、同村の綴堅坑の坑口、湯本村小野田炭山の軽便軌道隧道内である。乾板はいずれも完全な霊写となった。第一には炭層と死体と塊炭が、第二には切れた網と足が現れ、それぞれ過去の坑内失火とワイヤロープ切断の事故を物語っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心靈寫眞の研究(大和田徳義・大正時代(1920年代))
本書は大和田徳義による心霊写真(靈寫)の研究著作であり、大正時代の日本における心霊現象の科学的実証を主題としている。世界的心霊写真家・日光氏の実験結果を中心に、乾板膜面への直接的な心霊的変化を捉える無機霊写と用機霊写の両現象を詳細に記録。福島県の炭鉱事故や白江村の怪異現象など実際の事件との関連性を追究しながら、個人の病因や死者との因果関係を示唆する事例を多数収録している。同時に過去の詐欺事件や科学的検証の必要性についても言及。