死の前日に寺へ詣でた病人の魂
どんな伝承か
伊具郡丸森町の大内地方での話。新地に住む大内という人が重い病で亡くなる前の日、羽織と袴を着けて自分の菩提寺へお参りに来た。ちょうど寺の普請に来ていた大工たちがその姿を見かけ、あの人はもう歩けるはずがないのにと首をかしげたという。土地では、死んでゆく人の魂はこうして菩提寺へ詣でに来るものの、寺から家へ帰っていく姿を見た者はいないと伝えている。
原典より
同地新地の大内という人が重病で死ぬ前日、自分の寺に羽織袴姿でお詣りにきた。—— 宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ)
『宮城県史 民俗編』は宮城県の県史の民俗編で、ここに収めるのは茂木徳郎が執筆した章「妖怪 幽霊」である。山・道・木・水・海・雪・家など出現の場所による分類に沿って妖怪変化を論じ、幽霊とヒトダマ・死霊・生霊の観念を考えたうえで、県内の妖怪・幽霊・動物変化の伝承を郡・町村名を添えて集める。序説・本論・事例篇・参考の順に並び、序説では昭和二十四年の迷信調査と昭和三十年のNHK仙台中央放送局の調査にも触れる。