乾板のカブリから始まった念写
どんな伝承か
丸亀の長尾夫人の力は、もともと透視に限られていた。福来博士が通信実験として、写真乾板にある文字を写し込み、現像しないまま夫人に送って透視させたところ、返ってきた乾板は全面に、日光に当たったような強い感光、いわゆるカブリを生じていた。博士はこれを、夫人がこっそり包みを開けたためではなく、夫人の精神の働きによるものだと断定した。ここから念写という考えを得た博士は、夫人を導いて、簡単な文字から次第に込み入った文字まで写させるようになった。著者は、夫人の念写は博士が誘い出した能力だったとみている。
原典より
博士が通信実験で、写真乾板にある文字を撮影して、それを現像しないで長尾夫人に送って透視させたら、その乾板が日光にふれたような、「カブリ」といわれている強い感光現象を全面に呈して返ってきたことがあった。—— 心霊現象の科学(小熊虎之助・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊現象の科学(小熊虎之助・1974年(昭和49年))
『心霊現象の科学』は、小熊虎之助が心霊現象を科学の立場から論じた研究書で、序とあとがきに昭和四十九年四月の日付がある。コックリ・自働書記・読心術・憑きものなどを心理学で説ける偽心霊現象とし、精神感応・交霊・千里眼・心霊物理現象を真実の心霊現象として心霊現象研究会の報告から吟味する。福来友吉が能力者とした三船千鶴子・長尾夫人・高橋夫人・三田光一の透視と念写は山川健次郎らの実験と照らして疑い、あとがきでは井上円了以来の研究史を概説する。