秋山将軍が持ち帰った綾部の霊石
どんな伝承か
日露戦争の日本海海戦で参謀として名を上げた秋山真之が、少将のころ大本教を信仰し、綾部の出口教主を訪ねたとき、座敷の床に置かれた奇石を見て譲ってほしいと頼んだ。出口王仁三郎は、信者が奉納した霊のある石で、神に仕えない人が持つと障りがあるかもしれないと注意したが、秋山は自信があったのか無理に貰い受けた。書生に持たせて汽車で東京へ帰る途中から秋山は気が変になり、家族は石を隅田川へ捨てた。すると東京郊外中野町の信者で医学博士の岸一太が、水中の霊石の夢を見て人夫に川底を探させて拾い上げ、邸内の祠に祀ったが、のちに石は出口家へ送り返されたという。
原典より
書生に提げさせ汽車で東京へ持歸る途中から、氣が變になつて仕舞つた。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)
『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。