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亡き母に教えられて訪ねてきた老婆

所在地長崎県長崎市岩川町
年代現代(戦時の記憶を語る老婆)
登場宅島夫人
出典お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界

どんな伝承か

宅島夫人が岩川町の市営住宅にいたころのある晩、表に人の気配がするので出てみると、六十前後の、白地にアヤメを散らした浴衣姿の老婆が息をせきながら、一晩泊めてほしいと手を合わせた。狭い家ゆえ泊めることはできないが上がって食事をしてほしいと答えると、老婆はがっかりした様子で「私は城山の防空壕から来たのです。お宅のお母さんが、困ったときは娘夫婦が岩川町の市住にいるから行って泊めてもらいなさいと言ってくださった」と語った。母はとうに亡くなっている。問いつめると容貌も着衣も、手首の数珠のことまで亡母と一致した。老婆は防空壕へ戻ると言って消えた。

原典より

「それではまた、防空壕へ、戻りますわい」と、悲しそうにうしろをむくと、消えてしまいました。—— お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年))

『お化けは生きている――科学にとり残された霊の世界』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した、怪異と心霊をめぐる読み物である。読者から寄せられたお化けの報告や沖縄の刑場・遺念火の話、長崎の宅島夫人の霊視、和漢の古書に見える妖草妖木・狐・天狗・人魂などの物の怪、フォックス家事件やクルックスの実験など欧米の心霊研究を扱う。著者が始めた「お化けを守る会」の由来、西丸震也・星新一との座談会、透視や念力を試すテストを含む全七章に、あとがきを添える。

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