金縛りの闇に髪をすく亡母
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どんな伝承か
小学校二年の私を頭に三人の息子を抱え、夫に先立たれた母は、生前病弱な私をいつも心配していた。その母が昭和十九年二月に病死した。当時私は母の実家で百姓仕事をしながら、夜遅くまで絵の勉強に夢中だった。昭和二十一年頃のある夜、真夜中に枕元を何かがちょろちょろ走り抜ける気配がし、布のようなもので額を撫でられたかと思うと、足先から胸にかけて重い物がのしかかり、全身が金縛りになった。うっすら目を開けると、祖母の寝ている後ろにぼんやり人影が立ち、うす茶色の着物の女がしきりに右手で髪をすく仕草をしている。まぎれもなく死んだ母だった。題目を唱えると縛りは解けたが、うとうとするとまた同じことが起きたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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五所川原市の伝承
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