バス停で孫の礼を言う亡き祖母
どんな伝承か
ある日、近所の奥さんが生後五か月の赤ん坊の病気のことで宅島夫人を訪ねてきた。亡くなった母が夢枕に立ち、近くの宅島さんの奥さんに頼むよう教えてくれたという。夫人が懸命に祈ると、赤ん坊はその日から目に見えて元気になり、数日で全快した。奥さんが礼に来たとき夫人は留守で、デパートで買い物をしてバスで帰ってくると、停留所に総髪の上品な老女が立っていて、にこにこしながら孫をありがとうございましたと繰り返し、ぱっと消えた。赤ん坊の祖母がわざわざ冥途から出迎えてくれたのだと夫人は語る。
原典より
「孫を、ありがとうございました。ほんとにありがとうございました」—— お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・1974年(昭和49年))
『お化けは生きている――科学にとり残された霊の世界』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した、怪異と心霊をめぐる読み物である。読者から寄せられたお化けの報告や沖縄の刑場・遺念火の話、長崎の宅島夫人の霊視、和漢の古書に見える妖草妖木・狐・天狗・人魂などの物の怪、フォックス家事件やクルックスの実験など欧米の心霊研究を扱う。著者が始めた「お化けを守る会」の由来、西丸震也・星新一との座談会、透視や念力を試すテストを含む全七章に、あとがきを添える。