亡き祖母に手を引かれた花の中の白い道
どんな伝承か
七歳の春、肺炎でもう駄目だと言われ、親類中が集まった筆者自身の体験。その間、数日前に亡くなった祖母に手を引かれ、美しい花の咲き乱れる中の白い道を歩く夢を見ていた。前にも後ろにも人ひとりいない、どこまでも続く道だった。筆者が祖母に疲れたと訴えると、祖母は「じゃあ先に帰れ」と手を放し、視界から消えた。その瞬間、集まった人たちが「目を開いた」と大声を上げ、筆者は生き返ったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。