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火事の報告で知れた乱心の娘

所在地福島県西白河郡矢吹町三城目
登場善助、乱心の娘の父
出典疫病と狐憑き-近世庶民の医療事情

どんな伝承か

嘉永二年、三城目村で火事があり、その状況報告書が提出された。そこに、二十二歳になる善助の娘が乱心のまま自宅に置かれていた様子が記されている。彼女の存在が『御用留帳』に現れるのは、このときが初めてであった。『御用留帳』には、犯罪を起こしたり指籠入れの願書が出されたりと、なんらかの形で村役人の手をわずらわせた事例だけが記録されたため、こうしてたまたま記録に残った例のほかにも、在宅で療養ないし放置されていた者はかなりいたと推定される。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

疫病と狐憑き-近世庶民の医療事情(昼田源四郎・1985年(昭和60年))

『疫病と狐憑き-近世庶民の医療事情』は、精神科医の昼田源四郎が昭和六十年に著した、江戸時代の村の医療を描く本である。奥州守山領(現・福島県郡山市の一部)の『御用留帳』を主な史料に、村人の暮らし、医師と医道修行、疫病と祈禱、湯治、乱心と狐憑き、受刑者の治療、行倒れの継ぎ送り、間引きと養育手当などを、書き下した原文を引いて跡づける。序と凡例、全八章、あとがき、注、索引からなり、発行所はみすず書房である。

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