首里で祈った晩に痛みが止んだ伊識
どんな伝承か
伊識春野は警察官の妻で、三十歳で次男を産んだのち神経痛にかかった。医院に通っても一進一退で、ついには絶え間ない痛みに苦しむようになり、医者の許しを得て入れ墨を施してみたが効き目はなかった。ある日、医者から霊のしわざかもしれないと言われ、ムートヤーの先祖への祈願を勧められて首里の池城家を訪ねた。するとその晩から痛みが止まり、霊能が働くようになったという。ユタになる人の不幸は、ユタになるために定められたものかもしれないと結ばれている。
原典より
「ひょっとすると、霊のしわざかも知れない」と、ある日、医者にいわれた。—— ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社)
『ユタと霊界の不思議な話』は、月刊沖縄社が編んだ、沖縄の霊能者ユタについての取材記録である。那覇など都市地区の有名なユタへの取材をもとに、持ち込まれる相談、ユタになったいきさつ、マブイと霊界の考え方、十二支寺や拝所巡拝の意味を問答の形で記し、依頼者の体験談も添える。序章の体験談と四つの話に続いて、ユタを母に持った子の手記、霊示を書き取る人の話、有名霊能者百二十人の一覧、用語説明を収める。