軒下に立つ死期の迫った人の生霊
どんな伝承か
糸満市の霊能者・伊識春野さんは、死期の近い人のイチマブイ(生霊)を見るという。「死の近くなった人のイチマブイが、わたしの家に来て軒下あたりに立っていることがあります。いかにも悲しそうな青ざめた顔をしている。ああ、この人ももうだめだ、と思いながらなだめ帰してやると、二、三日したら葬式だということになります」。そのイチマブイを見てその人の家を訪ねると、当人は病で寝込んでいる。家族に知らせても信じてもらえず、快方に見える病人の家族はかえって反抗する。しかしその病人の死は確実にやってきて、家族は死んでから泣いて駆け込んでくることが多いと語った。
原典より
いかにも悲しそうな、青ざめた顔をして立っている。—— ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社)
『ユタと霊界の不思議な話』は、月刊沖縄社が編んだ、沖縄の霊能者ユタについての取材記録である。那覇など都市地区の有名なユタへの取材をもとに、持ち込まれる相談、ユタになったいきさつ、マブイと霊界の考え方、十二支寺や拝所巡拝の意味を問答の形で記し、依頼者の体験談も添える。序章の体験談と四つの話に続いて、ユタを母に持った子の手記、霊示を書き取る人の話、有名霊能者百二十人の一覧、用語説明を収める。