豊岡の見世物小屋に出た件の模型
どんな伝承か
大正十五年八月、兵庫県城崎郡豊岡で催された見世物興行の仮設小屋建設に際し、官憲へ提出された「仮設観物場開設願」には、大分県別府市の標本製作所が作った「頭二つ、上は人間、下は牛」という件(くだん)の模型が記載されていた。頭二つが仕掛けなのか双頭のクダンを意味するのかは定かでないが、明治末から昭和前期にかけ、クダンの剥製が見世物として各地で展覧されていたことがうかがえる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。