藩主の命で青峰山の牛鬼を射た高清
どんな伝承か
根香寺の住職によれば、牛鬼を退治した山田蔵人高清の墓が屋敷跡に今も残るという。高松市街から南へ四十分ほどの塩江町の畑の中にその墓があり、町の教育委員会が立てた説明板によれば、高清は安原下中村の生まれの弓の名人で、豊臣秀吉の朝鮮出兵では藩主生駒親正の軍に従って働いた。藩主から青峰山の牛鬼退治を命じられた高清は、根香寺の千手観音に十七日間祈りを込め、満願の明け方に仕留めると、菩提を弔うため角を切り取り、米十五俵を添えて寺に納めたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。