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旧岩村街道の小沢で乗る濡れた女

所在地岐阜県恵那市
年代昭和二十九年
登場鎌田惺和
出典現代民話考 ― 偽汽車

どんな伝承か

昭和二十九年の夏、梅雨明け前の豪雨の中、夜中に急用ができた若い婦人が岩村町から恵那市へタクシーを頼んで出かけた。旧岩村街道を走っていたが、豪雨のため橋が流失していたのが暗さと雨で分からず、タクシーもろとも川へ転落した。翌日から捜索したが遂に見つからなかった。その後、深夜に空車を走らせていると、転落場所付近の小沢という所で若い女がタクシーを止めて「乗せてくれ」といい、行き先を聞くと「岩村」と消えるような声で告げる。バックミラーを見ると誰もおらず、後部座席だけが水で濡れていた。橋の付近に地蔵を建てて供養すると出なくなったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))

『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。

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