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義兄の涙で目を開けた長さん

所在地高知県室戸市佐喜浜町尾崎
年代現代
登場長さん、死んで生き返った男
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

高知県室戸市佐喜浜町の話。昭和初めの頃、尾崎村の長さんは四十一歳の厄負けの病気で寝込んだが、三日目に息を引き取った。その夜のトギの時、用事で外郷へ行っていた義兄が知らせを聞いて駆け込み、死顔を眺めて『お前に行かれたら家も親戚の者も困るきに、戻って来てくれんか』と男泣きに涙を流した。その涙が二、三滴長さんの顔に落ちると、事切れて久しい長さんの眼がぱっちりと開いた。長さんは、花が咲き乱れる野原の一本道を歩き、花野の果てには川が流れて渡舟が浮かんでいた、遥か後ろから戻れと呼ぶ義兄の声に振り向いて駆け寄り、手を取り合ったところで気がついたと語ったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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