明治初年秋のこと
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どんな伝承か
児玉郡生野の話。明治初年の秋、権二郎の家では出来事が重なって麦蒔きの時期を逃していた。夫婦は一寝入りして目を覚ました時分に畑へ出て、星明かりのうちに耕しはじめたが、いつまでも夜が明けない。畑の畦で一息入れていると、どこからともなく鈴の音が響いてきた。上空を見上げると、金色に輝く光の輪の中を、二頭立ての白い馬車が一人の女を乗せて南から北へ走っていき、赤城山の彼方へ消えた。権二郎は狐狸に化かされたかと妻の頭を殴った。無事に麦蒔きを終えた妻は、その夜から患い、三日病んだきりで死んだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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