戦死の夢のあと柱に並んだ三匹の蛾
どんな伝承か
利根郡水上町藤原の話。夫が日中戦争へ出て行ったが、その死を夢の中で知った。夢を見たあと、大きな綺麗な蛾が三つ来て、夜は子供の頭の上を上になり下になり飛んだ。当時はランプで、ランプを下げて針仕事をしていると、上へ下へと飛んでいる。寝て朝起きて見ると、部屋の真ん中の柱に、同じくらい間を空けて三つきちんと止まっている。夜になるとまた子供の頭の上へ来て飛ぶ。そして公報が来てから七日ほどして、というところで原典テキストは途切れている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。