誰もいない家で鳴った仏壇のリン
どんな伝承か
昭和三十九か四十年の七月末頃、近江八幡市の母が昼頃庭で草むしりをしていると、家の中で仏壇のリンが鳴る音を聞いた。誰もいないはずと手を止めて見に行ったが、誰の姿もなかった。それから四、五日して、広島県尾道に住む父の弟が亡くなったという知らせが届いた。魂は親元に帰るというのは本当かもしれないと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。