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死の前に生家を訪ねた病床の叔父

所在地福岡県糸島市
年代昭和三十五年
登場井上勇、回答者
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

昭和三十五年頃、福岡県糸島郡前原町での話。語り手の叔父は終戦の二年ほど前に北支から相当の余裕金を持ち、六人家族で生家に寄寓した。一年ほどのちに六キロほど離れた山かげの農村に小さな家を建てて移ったが、新円切替や支出制限で貯金の値打ちは下がり、小農業で暮らしていた。六十歳近くで中風にかかり二年ほど臥せっていたある秋口の早朝三時頃、門の戸を激しく叩く音がして開けると、病床にいるはずの叔父が病衣のまま裸足で立っていた。二、三日静養し、車で近親者や友人宅を訪ね歩いて自宅へ帰ったが、その後再起できず一か月後に死亡した。この地方では、老人が親族などを続けて訪問すると必ず死ぬといわれている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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# 音・気配・火の玉など中風

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