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荒れる少尉を鎮めた剣道試合

所在地北海道旭川市
年代現代
登場鎌田惺和
出典現代民話考 ― 軍隊

どんな伝承か

太平洋戦争が終わった後の話である。旭川北部第一七八部隊で終戦処理にあたっていたとき、陸軍士官学校出身の泊という少尉が陣地から部隊へ戻ってきた。日本が敗けたことが腹立たしくてたまらない様子で、夜は酒を喰らって下士官や兵をなぐりとばし、昼は兵営内を馬で乗りまわしたり、誰かを引っぱり出して剣道の防具をつけさせては叩き伏せていた。あまりの荒れように見かねた語り手は、上官であることも忘れて剣道試合を申し出て、小手と胴を打ちすえた。兵たちからは歓声があがり、以来少尉の荒れは消えたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸)

『現代民話考 ― 軍隊』は、松谷みよ子が編んだ、軍隊と戦争をめぐる現代の民話の集成である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きによって寄せられた話をもとに、十五年戦争を中心に徴兵検査から新兵のしごき、戦地、虐殺や飢え、敗戦、収容所、戦犯、軍隊生活の怪談までを収める。巻頭に序文「明日の民話のために」と論考「軍隊考」を置き、十三の部に分けた各話の末に話者と回答者の名と在住地を記す。

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