宿直室の戸を叩く音に眠れぬ三教師
どんな伝承か
北海道夕張小学校に現れた幽霊と、同校の教員数氏との問答は、大正の幽霊問答としてかなり世間の好奇と研究の的になった。夕張小学校の宿直室で三人の男性教師が自炊をしていたときのことである。ある真夜中、Aが目を覚ますと誰かが戸を軽く叩く音がする。誰かと問うと音はやみ、外のポプラの梢に風が流れているばかりであった。翌晩も、その次の晩も同じように戸を叩く音がする。大喝すると音はやみ、しばらくするとまた鳴る。三人は毎夜この不可思議な音に脅かされて眠ることができなくなったという。
原典より
北海道夕張小學校へ現はれた幽霊と、同校敎員數氏との問答は、大正の幽靈問答とて可なり社會に好奇と研究の波紋を……げた。—— 幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年))
『幽霊は語る』は、梶天真が昭和十三年に編んだ幽霊譚と幽霊論の集成である。葬送の習俗や海外の霊魂観から説く幽霊思想、幻覚や網膜の作用による幽霊の説明、乃木大将や許斐大尉の見た幽霊などの実話、古典や伝説に現れる男女の幽霊・怨霊・生霊、幽霊写真、化物屋敷、霊界通信を集める。三篇に分かれ、第二篇は幽霊を男女・怨霊・生霊・小児の見た幽霊・食物に縁ある幽霊・前知らせなど八項に分類し、巻末を夕張と筑前の幽霊問答で結ぶ。