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城主に斬られた姫の亡霊

所在地徳島県板野郡上板町滝の宮(正念寺城)
年代近世〜近代(阿波伝承)
登場語り手
出典阿波の怪談

どんな伝承か

永禄のころ、上板の正念寺城の城主はよそから連れてきた姫を屋敷に住まわせ、しつこく言い寄った。姫は城主を嫌い、何度も逃げ出しては連れ戻され、両親のもとへ帰してほしいと泣いて拒み続けた。ついに逆上した城主は刀を抜いて姫を斬り殺した。翌晩から、城主の枕元には肩から脇腹まで血に染まった青い顔の姫が座り、斬りつけると消えた。亡霊は姫屋敷にも現れ、すすり泣きも聞こえたという。城が滅んだ後も姫屋敷の地名は残り、耕すのを嫌う風があるという。

原典より

ほんやりとあんどんの明りが照らすまくら元に、髪をふり乱し、左肩から右脇腹へかけて赤い血に染った姫が、青い顔をして座っていた。—— 阿波の怪談(横山春陽・郷土怪談・民俗・1958年(昭和33年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

阿波の怪談(横山春陽・郷土怪談・民俗・1958年(昭和33年))

『阿波の怪談』は、横山春陽が昭和三十三年に編み、徳島新聞出版部から発行した郷土の怪談集である。徳島県の各地と土佐との国境の山中に伝わる山女郎、淵や池の主、カッパ、亡霊、火の玉、タヌキやキツネ、大ジャの話を、平安朝の言い伝えから藩政期、明治・大正、昭和の出来事まで、編者が古老に聞き、書物から拾って題ごとに並べる。おわりにでカッパやヘビの話の多い地域や海の話の少なさについて記す。

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