封筒の文字を言い当てた霊媒
どんな伝承か
第六感でも霊覚でも透視覚でも呼び名は何でもよい、要するに時間や空間をある程度超えて見える異常な能力があるか、と講演者は問う。座ったまま百里千里先の光景を見る、箱の中を透かす、死者の姿を見たり声を聞いたりする、一年先の出来事を予知する、そうした力である。自身も四十を過ぎるまで半信半疑だったが、大正五年の春に幾つかの体験を掴み、心霊問題に一身を捧げた。以後二十年かけて能力者を育て、なかでも北村霊媒は封筒に密封した文字や数字を一間の距離から言い当て、百回を超える実演で一度も外したことがないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊縦横談(浅野和三郎・心霊縦横談 第一輯)
『心霊縦横談』は、浅野和三郎が心霊研究の立場から書いた論説と講演を集めた論集である。大正十五年二月の日付をもつ論説や、昭和三年の大連、昭和五年の大阪での講演記録を収め、科学と心霊現象、宗教と科学、予言の事実と理論、信仰の自由などを論じ、類似宗教の流行や禅僧の言説、ラジオの「朝の修養」の題材選びへの批判にも及ぶ。長めの論説・講演に短い時評を続けて並べ、一部の篇の末尾に日付と講演の場所を記す。