中野馨少年の透視実演
どんな伝承か
心霊科学研究会は創立以来ほとんど連日のように実験を重ねたが、まっさきに世へ紹介したのは中野馨少年の透視と自動書記の実演だった。馨少年は中野天源の二男で、当時十二歳。七歳のころに霊眼が開き、以後しだいに力が発達したという。会の側は中野氏と面識すらなかったが、学士会で創立会を開いた晩に父が少年を連れて突然訪れ、実験を申し込んだ。誠意ある申し込みは誰でも歓迎するという方針から翌日には実験が始まり、回数は十五回ほどにのぼった。松村理学博士、杉田医学博士、中桐確太郎らをはじめ数十人が立ち会い、まったくの失敗はただ一度で、あとはすべて成功したと報告されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊縦横談(浅野和三郎・心霊縦横談 第一輯)
『心霊縦横談』は、浅野和三郎が心霊研究の立場から書いた論説と講演を集めた論集である。大正十五年二月の日付をもつ論説や、昭和三年の大連、昭和五年の大阪での講演記録を収め、科学と心霊現象、宗教と科学、予言の事実と理論、信仰の自由などを論じ、類似宗教の流行や禅僧の言説、ラジオの「朝の修養」の題材選びへの批判にも及ぶ。長めの論説・講演に短い時評を続けて並べ、一部の篇の末尾に日付と講演の場所を記す。