綾部の出口直子調査
どんな伝承か
霊媒は西洋でも東洋でも変わり者が多く、こうした一風変わった人間を相手にせねばならないのが心霊研究者の宿命で、心ない人から誤解を受ける最大の原因の一つがそこにあると浅野和三郎は言う。不肖な自分にもその経験がある。私が綾部へ引き籠って霊媒出口直子の霊媒現象を調査発表すると、世間の人々は口を揃えて、無学文盲な田舎の盲目の老婆をダシに使って一仕事企んでいるかのように囃し立てた。露骨明白な証拠が揃っていても、世人が心霊事実を淡泊に受け入れる雅量を持たないことを、浅野は身をもって味わったのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心靈講座(浅野和三郎・心霊研究・講座・1928年(昭和3年))
『心靈講座』は、浅野和三郎が昭和三年に著した心霊研究の講義書である。催眠現象から人間に霊魂が宿ることを説き起こし、欧米の心霊研究の歩みをたどったうえで、物質化・心霊写真・直接談話・卓子浮揚・物品引寄・霊視・霊言・自動書記の各現象を、クルックスやモーゼスらの実験と記録に拠って検討する。第一講から第十講までと結論から成り、結論では心霊研究が人生や信仰に及ぼす影響を論じ、新霊魂説の七大綱領の訳を載せる。