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一犠牲者の話

所在地千葉県旭市
登場賀川肇、山内容堂、千種家の臣・医師。激徒に襲われた、土佐藩主
出典奇談全集 現代篇

どんな伝承か

幕末から明治初年にかけて社会は紛糾し、人びとは暗い恐怖に怯えさせられた。文久二年十二月二十二日には、著名な儒者の子である大学というのが坂で暗殺された。激徒はその頭を難波橋に晒し、罪状を記した捨札を立てて、天地に容るべからざる罪であるから誅戮を加えて梟首したと掲げた。翌日には両耳をそいで箱に入れ、一つを正親町三条大納言、一つを中山大納言の邸へ投げ込み、退官せねばこの耳の如しと脅した。同月二十九日の夜には、京都下立売の千種家の臣で医師の賀川肇の宅に数名の激徒が現れ、二重襖の奥に隠れた肇を捕らえて吊し拷問した。

原典より

序 話時には社会が紛糾し する。—— 奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集・大正~昭和初期(推定)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集・大正~昭和初期(推定))

本書『奇談全集 現代篇』は、田中貢太郎による幕末から昭和初期にかけての日本各地の怪談・奇談を集成した作品である。明治維新期の松木事件から関東の連続殺人鬼事件まで、実地取材に基づく歴史的事件の記録と、民間に伝わる幽霊譚・怪異現象が混在している。特徴は、単なる怪談の創作ではなく、実在の地名・人物・事件を背景に、社会的矛盾や人間の怨恨が生み出す超自然現象を描く点にある。

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