若竹屋で練られた下地村三蔵への脅迫
どんな伝承か
吉田宿助郷騒動で徒党の重立った者たちは、吉田宿船町の茶屋若竹屋清兵衛の家に集まって計画を練っていた。かれらは十年前に助郷惣代を勤めていた下地村の三蔵に対し、金一〇〇〇両を差し出せ、出さなければ村へ押しかけて打ちこわすぞと脅した。下地村の惣代たちも若竹屋へ呼び出されて同じことを申し入れられ、徒党が押しかけてはたいへんだと三蔵にその金を出すよう迫った。せっぱつまった三蔵は吉田藩へ訴えたが今日にいたるも音沙汰がないと、親類の赤坂宿百姓甚平が赤坂役所へ嘆願している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか始まる(田村貞雄・1986年(昭和61年))
『ええじゃないか始まる』は、田村貞雄が一九八六年に著した幕末の民衆運動「ええじゃないか」の研究書である。慶応三年に三河から遠江・駿河へ広がった御札降りの発端を、牟呂村の「二夜三日正月」、御鍬百年祭、吉田宿の助郷騒動、秋葉信仰との関わりから、村方の文書や日記、市町村史の史料をもとに追う。はしがきに続く八章で発端から波及、仕掛人をめぐる諸説、祭の後の「代替わり」までを論じ、主な史料はその原文を別組で示す。