潜像の乾板を五重に封じて送る
どんな伝承か
一月二十日の午後、福来友吉は源良英とともに、六枚の手札形乾板へ江田金・太出主・退代花の三種の文字を二枚ずつ撮影した。乾板は現像せず潜像のままとし、三枚一組を対照物として手元に残し、他の一組はそれぞれ黒色の不透明紙で五重に包み、白色の十字形の帯封をかけ、封じ目には認印を押して実験物とした。これに一、二、三の番号を付し、二十二日に多木のもとへ郵送している。書面では、実験物が或る文字を撮影して現像していない乾板であることだけを説明し、能力者にその文字を透視させてほしいと依頼した。二月十九日、多木から実験物と透視結果の報告が送り届けられた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年))
『心霊と神秘世界』は、文学博士福来友吉が著し、昭和七年に人文書院から発行された心霊研究と仏教思想の書である。御船千鶴子・長尾夫人・三田光一らの透視と念写をはじめ、霊の幻化、念動、物質化など国内外の心霊現象を実験記録とともに論じ、後半では自我・神秘世界・霊と生命を真言密教や華厳の教えによって説く。全五編からなり、この本文は昭和五十七年に心交社が出した復刻版で、梅原正紀・井村宏次らの「解説研究編」を付している。