長尾郁子の透視捏造報道事件
どんな伝承か
福来が透視と念写の研究を発表したとき、頑迷な物質学者は自ら研究もせずこれを嘲笑・否定した。なかには研究の名を借りて能力者を陥れようとし、逆にそれを見破られて大失態を演じ、その隠しに『千里眼実験録』なる書を出す者さえいた。さらに不真面目な新聞記者がその尻馬に乗り、千里眼能力者をまるで山師か詐欺師のように書き立てた。当時、大阪のある有力紙は、山川博士の実験によって丸亀の千里眼夫人長尾いく子の透視の裏に手品魔術があると認定され、いく子は恐縮して今後透視を行わぬと山川博士に誓約した、という捏造記事を掲げた。実際には山川博士自身が能力者を陥れようとして失態を演じたのであり、事実をまるで反対に曲げた記事だと、福来は憤慨している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
観念は生物なり(福来友吉・心霊・念写研究)
『観念は生物なり』は、福来友吉が著した心理学と心霊研究の論集である。観念と身体の関係、潜在精神と病気、夢、プランセット(自動書記)、狐憑病の伝染や尼寺のヒステリー、宮本武蔵の剣道などを論じ、明治四十三年以来十年間に接した御船千鶴子・長尾郁子・三田光一ら八人の通力者の透視と念写の実験を報告する。「観念と身体この関係」から「生命学と心霊研究」までの十四篇を収める。