大鷲で岩間山へ招かれた堅磐の饗宴
どんな伝承か
妙義山近くで羽団扇の騒ぎが起き、杉山僧正が雷雨とともに現れて事を収めると、僧正は連れて来た大鷲の背に客人の宮地堅磐を乗せ、寅吉や大勢の従者とともに雨上がりの空を岩間山の棲み家へ飛んだ。僧正は粟酒・柿酒や芋・山芋で作った山の幸で堅磐をもてなした。失敗を恥じて隅でふさぎ込む寅吉を見かねた堅磐が詫びると、僧正は羽団扇を貸したのは自分の不覚だったと言い、寅吉を席に呼んで堅磐に謝らせた。宴の後、夕刻に僧正自ら堅磐を土佐の潮江村まで送り届けたという。
原典より
杉山僧正は従えて来た劫を経た大鷲の背に客人堅磐大人を乗せ、寅吉その他大勢の従者もろ共に、雨上りの空を一気に岩間山を指して飛んで行った。—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。