岩間山の十三天狗の石宮と寅吉の修行
どんな伝承か
岩間山は筑波山の北方四里ほどにあり、峰には愛宕宮が祀られている。宮の後ろの少し高い平地に小宮があり、それを十三基の小さな石宮が取り囲んでいて、昔から岩間山の高位の天狗たちの住まいと言い伝えられてきた。麓の村人は二月二十四日の祭礼に十三天狗それぞれへ膳を供える習わしだという。寅吉は七歳の文化九年春から十一歳の十月までこの山に通い、その後も寺の小坊主をしながら天狗界との行き来を続け、修行は通算八年に及んだ。その間に師の杉山僧正や兄弟子に連れられ、日本各地から世界一周、さらに月の近くまで行ったと語ったという。
原典より
この小さい十三基の石宮こそ、岩間山の代表的高級天狗の住処だと昔から云い伝えられていて、…—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。