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安謝の湊に降りた天女と察度王

所在地沖縄県那覇市字安謝
年代伝承(口承)
登場察度王、天女の息子(のちの王)
出典講座日本風俗史別巻 妖異風俗

どんな伝承か

琉球の沖縄島、安謝の湊の浜辺に伝わる話である。春の海辺の珊瑚岩に、白鳥のような羽音を立てて天女が舞い降りた。天女は松原へ入り、赤松の陰の澄んだ泉で水浴びをしようと飛衣を松の枝に掛けた。ところが身を清めて上がってみると飛衣は消え、代わりに人間の男が立っていた。返してもらえず天に帰れなくなった天女は、やむなく男と十年あまり連れ添い、娘と息子をもうけた。息子は長じて察度王になったという。やがて娘が飛衣の隠し場所を突き止め、弟を子守しながら歌に託して口ずさんだ。それを聞いた天女が穀倉に上がると、櫃の中で稲束に覆われた飛衣が見つかった。天女はそれをまとい、子への思いを残して白雲の彼方へ飛び去った。

原典より

春の海ゆたゆたと瀬え、太陽の光あまねく南島をおおう、琉球沖縄島の安謝湊の海辺での物語である。—— 講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)

『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。

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