腹膜炎の少女が見た花と天女
どんな伝承か
東京都小平市の大川都さんは、八歳のとき重い腹膜炎で手術を受けたが助かる見込みがなく、一か月ほど意識不明になったり戻ったりを繰り返した。全身が衰弱し、強心剤を打とうにも腕の血管が出ず、医者が何度も失敗するほどだった。その時の体験を、こう語る。『全体がピンク色で、正面にまぶしく光る雲のようなものがあり、その前に髪が長く、長いスカートを身にまとった天女のような女の人がいた。あたりは花でいっぱいで、私は一段下のふわふわの雲の中にいて、風呂に入っているようにリラックスした安堵感と、ブラックホールに入ってしまったような不安を同時に感じていた』と。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション)
『臨死体験(立花隆)』は、立花隆が著したノンフィクションである。一九九一年三月放送のNHKスペシャルのための取材を出発点に、日本と欧米の体験者の証言、キュブラー・ロスやムーディら研究者への聞き取り、「文藝春秋」連載中に寄せられた体験談を収める。体外離脱、光の体験、文化による体験の差、感覚遮断や脳の仕組みを章ごとに論じ、末尾で現実体験説と脳内現象説を比べたうえで、著者は基本的に脳内現象説に立つと述べる。