野木小屋で足を引く山の化物
どんな伝承か
屋久島の営林署に勤める技官の小田岩雄も、ごく最近、山の妖怪に出くわした一人である。山中の野木小屋に一人で泊まった夜、何者かが足を引っぱったり耳を引っぱったりと、いたずらが絶えなかった。驚いて起き上がり懐中電灯をつけても人影はなく、戸も閉まったままだった。横になってうとうとすると、またしても誰かがいたずらをする。小田は、山の化け物としか思えないと語っている。
原典より
驚いて起きあがって懐中電灯をつけたが、何も人影はない。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。